• Brest, France

Sushi : Hinoki


もう何回目だろう、ブレストにグザビエさんのお鮨を食べに来たのは。

2012年にPavilion MIWAを作った後、パリに移住した私は、お鮨が無性にたべたくなりフランス中探していた。その頃まだパリには、JinOnodera(残念ながら2017年10月で閉店)OkudaSushi-Bがオープンする前で”Honmono”の鮨がなかった。パリのお鮨が美味しくない理由は、海から遠いからではないかと思い、google mapでフランスの海岸線沿いの町にある日本料理店を片っ端から調べていった。そして見つけたのがフランスの最西端のブレストにある「Hinoki」だ。

フランスでは、日本料理店は大体、都市の名前が付いている。「Okinawa sushi」「Nagoya sushi」など。こういうところはまず日本人経営ではない。お店に「Hinoki」とつけるのは、感性のある日本人だと感じた。MIWAも総檜で作られているので、パリにいらっしゃることがあったら寄りませんか?とメールした。そこで、お会いしたのがフランス人の鮨職人のグザビエさんと奥さんのミカさんだった。

彼らは、お店で使う檜の大きなまな板を探していた。ちょうどMIWAを作ったばかりで檜の一枚板があったのでお譲りし、その週末、車でブレストまでグザビエさんのお鮨を食べに行った。

お鮨は、その地域のその季節の魚を美味しくたべて、季節や土地の恵を感じるもの。このためには新鮮な魚が欠かせなくて、フランスでは冷蔵、冷凍の宅急便が一般にはないためパリでは調達がむずかしい。グザビエさんは、日本で鮨の修行をし、フランスと日本の魚の品質の差が大きくあると感じ、海の近くのブレストで地の魚にこだわってお鮨を握っている。ときには友人と一緒に釣りに行って釣り上げた鯛、ブレストの昆布しめたヒラメなど、ここでした食べられないお鮨をいただくことができる。

フランスでお鮨を食べに行くと、お客さんは一緒に来ているパートナーとの話に夢中で、あまり鮨から季節や自然を感じていないようなシーンが良くある。日本でお鮨を食べるときのようなお客と大将との共感はあまりない。でもHinokiは違う。グザビエさんが鮨を通して目の前にあるブレストの海を感じる体験をフランス人の方々に提供し、客も鮨からそれを感じ取ろうとしているのがよく分かる。私がおもうフランスの”Honmono”の鮨屋「Hinoki」には、何度行っても、単なる「型」ではない「こころ」を感じる。

Hinoki

6 Rue des 11 Martyrs, 29200 Brest

+33 2 98 43 23 68

火曜日から土曜日

20時-23時

おまかせ 95ユーロ


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