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"Honmono"のパン : Poilâne


東京では世界中のおいしいものが食べられるが、おいしいパンはなかなかない。

ワイン、チーズ、チョコレート、そしてパン。この4つはパリで本当においしいものに出会える。これらはすべて発酵食品で、そこが日仏の食文化の共通点はこの発酵に有るように思う。

パンドカンパーニュは伝統的なフランスのパンだ。

産業革命以降、大量生産、大量消費の時代を迎えて、経済効率を優先するバケット(日本だとフランスパン)が生まれた。バケットすぐ焼ける反面、すぐ堅くなってしまう。(そのためフレンチトーストが生まれた)何日もかけて食べるパンドカンパーニュは戦後までその存在を忘れられていたが、ポアラーヌの初代Pierre Poilâneが復活させた。ポアラーヌはフランスの伝統を現代に復活させたパティスリーなのだ。

このパティスリーの3代目アポローニャとは、MIWAをオープンした当初から交流があり、工場見学にさそわれた。rue Cherche Midiの一号店の店舗の下にも釜があり、以前そこ見学させてもらったことがあった。ここでは使い込まれた伝統的な薪釜で毎日パンが焼かれ販売されているが、たまにボンマルシェやモノプリにもポアラーヌのパンは売っている。正直、スーパーで売っているポアラーヌのパンには、工業生産的な感じがして、買ったことがなかった。きっとブランドの名前をつけただけの大量生産なんだろうと勝手に思い込んでいた。

今回、スーパーで売っているパンを造っている郊外の工場をおとづれて、心底関心をした。一号店の地下にある窯が12個そのままあるのだ。しかもすべて薪釜。工場の真ん中にある薪の保管所は圧巻で、ものすごい量の薪がストックしてある。そして、この窯一つ一つに職人がつき、小麦粉をこねるところからすべての工程一人でつくっている。昔ながらの天秤のはかりは、正確にはかるよりも、手でちぎって計ることが重要だったり、パンを寝かせるバスケットも一号店の地下と全く同じものをつかっている。

この一つ一つの工程が、職人がパンに心をこめる瞬間でありリチュアルがある。大量生産の工場であっても職人のスピリッツが息づいている。見えないところでも手をぬかず、真摯に向き合い毎日同じことを繰り返す彼らと、日本の職人の共通点をみずにはいれなかった。

パリにきたら、ぜひポアラーヌのパンを。

スーパーでうられていても、彼らのパンは"Honmono"です。


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